みなさんこんにちは。
今回はシステム開発の成否がほぼ決まるといっても過言ではない「要件定義」という工程について、3回に分けてお伝えしようと思います。
要件定義の前工程に要求定義という工程があったりもしますが、要求を整理して定義することは誰しもができるような簡単な作業ではありません。
お客様にて要求定義をしていただければそれはそれで進めやすくありがたいですが、それをご用意いただかなくても何ら問題ありません。
お客様のフワフワした要求をヒアリングしながら、お客様と我々で要求/要件を整理していきますのでご安心ください。
とうことで、今回は要求定義には触れないでおきます。
また、要件定義に関する一般的な情報は他のサイトにも多々載っていますので、ポイントとなる点やお伝えしたいことを中心に書いていきたいと思います。
システムを開発するのに「要件定義」工程は必要?
お客様の中には、
・要件定義って必要なの?
・要件定義って何をやるの?
・要件定義って費用が発生するの?
とおっしゃる方も居られます。
要件定義を実施しないと予算や納期が算出できないばかりか、プロジェクトは目標と拠りどころがなく、破綻すること間違いなしです。
それ以前に要件定義をしないプロジェクトにおいて、我々はシステム開発を請け負うことはできないです。そのくらい大切な工程です。
全工程の中で一番重要な工程であり、冒頭にもあるように要件定義でプロジェクトの成否がほぼ決まります。
ということで、要件定義工程はなくてはならない工程であり、絶対に必要です。
要件定義では何をするの?
当然ですがシステムの規模や公共性、利用者数などによって、成果物やプロセス・予算・工期などは異なります。
たとえば、中小企業様が社内で利用するようなシステムであれば、要件定義工程では概ね以下のタスクを実施していくことになります。
(1) プロジェクトの目的とゴールを明確に定義し、関係者が共通の理解を持つ
(2) 現行の業務フロー(AS-IS)を整理し、課題を抽出・定義する ※新規業務についてはAS-ISは不要です
(3) 現行業務に対する要望を明確にし、業務要件(TO-BE)を定義する
(4) どの業務(やタスク)をシステム化するべきかを検討し、システム要件を定義する
(5) システムの利用を想定した新しい業務フローを作成し、新業務フロー図を作成する
(6) システムに必要な機能を洗い出し、機能要件を定義する
(7) システムアーキテクチャを決定し、システム構成の概要を定義する
(8) ソフトウェア(システム)の品質要件を明確にし、非機能要件を定義する
これらタスクの詳細については、次回以降のブログで説明していきます。
また、これらのことを実施するわけですから、費用は当然発生します。
お客様(発注者)にお願いしたいポイント
ポイント① ご予算が決まっている場合は事前に教えてください
予算がある程度決まっているのであれば先にお伝えいただけることで、要件定義中に予算を加味しながら進めることができます。
要件定義で大風呂敷を広げた後、予算を見積ったら予定の数倍の予算が必要、なんてことも普通にあり得ます。
また、システムは如何様にもコストを投じてゴージャスにできます。
限られた予算を踏まえながら要件定義を進めると効果的です。
ポイント② お客様の業務を理解するのは大変なんです
我々がお客様の業務や専門用語を深く理解すればするほど、よりよい要件定義ができます。
我々がお客様の業務を理解することに対しても、全力投球していただけると嬉しいです(笑
また、我々の知識、理解度の現在地をお客さまに認識してもらうことも、話し合っていく中では重要と考えています。こちらの理解度を伝えきれないと、お客様が一生懸命にお話されても理解が追いつきません。
知ったかぶりはしませんのでベンダー側から質問ばかりしても許容いただければと思います。
ポイント③ 時間を確保してほしい
打ち合わせのご参加や、資料・情報のご提供に全力でご協力ください。
要件定義工程においては、特に打ち合わせが重要となります。
ベンダーだけでは何もできないため、打ち合わせをしないことには先にすすみません。
週に2日、1回3時間、あるいは週次で5時間など、とにかく時間を要します。
それ以外にも、検討や資料整理等にお客様自身の時間を要することになるかと思います。
通常業務を抱えながらで大変かと思いますが、お客様にとって価値のある(満足度の高い)システムをつくるためですのでご協力をお願いいたします。
以下もご覧いただけるとよろしいかと思います。
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さいごに
要件定義工程で手を抜いてしまうと、飛行機の羽が一枚足りない状態で離陸するようなものです。
かなり危険です。
そうならないよう、要件定義工程をしっかりと実施しプロジェクトを成功に導きましょう。
また、要件定義の進め方、専門用語、考え方、説明の仕方などは千差万別です。
開発工程においてもそうです。
ですので、多々ある情報の中の1つとしてこのブログをご覧いただければと思います。
次回は要件定義のタスクに足を踏み込んでみましょう。お楽しみに!
前回に引き続き、要件定義についてお伝えしていきます。お伝えしたいポイントを中心に書いていますので、よく目にする情報・当たり前のことなどは、さらっと、書いてしまっていますがご了承ください。では、早速要件定義の主なタスクを一 …