今回は、システムインテグレーションやシステム開発を生業にしている我々受注側が実際に実施している「プロジェクト管理」の概要について書いていきます。
「受注側」と書いたのは、発注者側でもプロジェクト管理が必要なためです。
発注者がITやシステム開発に詳しいのであれば、発注者側でも適切なプロジェクト管理が行われているかと思います。
ただ、必ずしもシステム開発のことを理解されている企業や担当者ばかりではありません。
私たちはそのようなお客様とも多々お取引させていただいております。
システム開発やプロジェクト管理のことを知らないからと不安になる必要はありません!
私たちがどのように「生き物」であるプロジェクトをコントロールしているのか、まずは概要となりますがご覧いただけたらと思います。
システム開発におけるプロジェクトは「生き物」
プロジェクト管理とは、プロジェクトを円滑に進め、成功に導く作業です。
先にも書きましたがシステム開発におけるプロジェクトは「生き物」です。
プロジェクトに関わる人の能力、性格、心身状態やそれを取り巻く環境等により、如何様にも予定が狂っていく特性です。
たとえば
「開発エンジニアがインフルエンザに感染した」
これで5日間は作業ができず予定が狂ってしまいます。
あるいは
「実際に作業を進めたところ、想定(計画)した作業工数の2倍の工数を要することが判明した」
このように想定外のことも普通に起こってしまうのです。
残念ながら計画通りに進むことはほぼありません。
こういったときに、プロジェクトを完遂するために人、モノ、金などを常にコントロールしていかなければなりません。
システム開発におけるプロジェクトの管理項目
では具体的にどんなことを管理していくのでしょうか。
最低限、以下の項目は管理していく必要があります。
・進捗:スケジュールが遅れないようにする
今回はシステム開発のプロである我々が、納期を守るために普段から実施している進捗管理についてお伝えしたいと思います。進捗管理とは、計画したスケジュール通りに作業が進捗しているかの確認、スケジュールに遅れが生じている場合はそ …
・課題:疑問点や不明点、多々起きる事象を管理・整理し、解決に導く
今回はシステム開発のプロである我々が、プロジェクト推進における問題を随時解決していく、QCDを満たすために不可欠な「課題管理」についてお伝えしたいと思います。 ただタイトルにあるように、「課題管理とは?」というよりは、コ …
・リスク:マイナスに作用するリスクに備え、リスクが発動した際に適切な対処をする
システム開発におけるリスク管理について、今回は少しリアルな視点からお伝えしようと思います。「リスク管理」に関する一般的な情報は他のサイトにも多くありますので、そちらをご覧いただければと思います。ここでは受注側だけでなく、 …
・品質:ソフトウェア品質を作り込み、完成時の品質を担保する
・要員:関わる人の健康管理、必要に応じた人員増強など
・コスト:その名の通り
そのほかにも、不具合(バグ)/調達/仕様変更など多岐に渡ります。
それぞれの管理手法などの詳細は、別途記事を書いていこうと思います。
プロジェクトを成功に導くための計画
このプロジェクト管理は、プロジェクト開始前に都度作成する「プロジェクト計画書」に基づいて実行していきます。
計画すべきことは主に以下の項目です。
・目的、ゴール
・スケジュール
・体制
・開発プロセス、成果物
・品質保証計画
・リスク管理
・課題管理
・不具合管理
・テスト計画
・コミュニケーション計画
また、プロジェクト計画はお客様、エンジニア含めたすべての関係者間で理解し、
共通認識をもって推進していく必要があります。
この辺についても、別途プログを書いていきたいと思います。
プロジェクト管理に要するコスト
これまで書いてきたように、生き物であるプロジェクトを成功に導くための多岐にわたる管理項目、
およびそれをプロジェクト期間中につねに是正、対策などを行う必要があります。
つまり、プロジェクト管理にもそれ相応のコストがかかります。
我々の経験則では、開発費用全体の
5%~20%
のコストを要しています。
コストに幅があるのは、プロジェクトの規模、業務や構成の難易度、工期等、によりリスクや必要な作業量が違うためです。
発注者の方は「プロジェクトの成功のためには管理コストがかかる」ことをご理解いただけますと幸いです。
まとめ
プロジェクト管理について書いてきましたが、お伝えしたポイントは以下となります。
・プロジェクトを成功に導くためには、適切なプロジェクト管理が必要
・プロジェクトの管理項目は多岐にわたる
・プロジェクト管理にはコストを要する
今後もプロジェクト管理について、のんびりとブログに書いていきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。