選定のポイント

システム開発を成功に導くためには、開発会社選定の判断基準や発注者自身の心構えが重要と考えています。
そこで、今回は発注前から発注後にかけての重要なポイントについて的を絞って書いていきたいと思います。
一般的な「システム開発会社の選び方」ではなく、開発会社側の視点で幾つかお伝えできればなと思います。

本ブログが発注に際しての判断基準の1つになれば幸いでございます。

発注前(商談・開発会社選定フェーズ)

納期(マイルストン)と概算予算を共有する

システム開発において、納期や予算を開発会社に共有することはプロジェクト成功の1つの鍵となります。
我々開発会社は、予算や時間軸を考慮して最適な提案を行い、実現可能なスケジュールを提示します。
予算がご提示いただけない場合は、提案も非常に困難なものとなります。
(ただ、予算がイメージできない場合は、それをお手伝いさせていただくことも当然ございます)

予算の駆け引きをするのではなく、発注先に透明性のある情報共有を行っていただくことで、双方にとってより良い結果につながると思っています。

ISMSやQMSの認証企業を選ぶと安心

情報セキュリティ(ISMS)や品質管理(QMS)等の認証を取得している企業は、標準化された開発プロセスを持ち、セキュリティや品質への意識が高い傾向にあると思っています。
少なくとも我々はそのような意識で常時取り組んでおります。
特に、個人情報を扱うシステムやミッションクリティカルな業務システムでは、こうした認証の有無を確認することで、少しはリスクを軽減できるのではないでしょうか。

認証の有無だけでなく、開発プロセスや品質保証活動等の具体的な取り組みをヒアリングするのもおすすめです。

発注者の立場になってくれる開発会社を選ぶ

開発会社は、ただ言われたことのみを考えたり実行するだけでなく、発注者の立場になり、発注者の目的や課題を理解し、最適な方法を提案すべきだと思っています。
例えば、

「この要件、あるいは解決策では運用コストが高くなる可能性があるので、〇〇にするのはいかがでしょうか」

といったリスクを指摘し、より良い代替案を提示してくれる開発会社は信頼してよいのではないでしょうか。

プロジェクト進行中に課題が発生しても、一緒に解決策を考えてくれる姿勢のあるベンダーが理想的だと思います。

コストだけで判断しない

開発費用の安さだけで判断すると、重要な非機能要件(セキュリティ、可用性、性能など)が不十分なシステムになる可能性がありますので注意してください。
機能は同じだとしても、

 ・セキュリティ強度
 ・システム運用時のコスト
 ・障害復旧までの時間

などが異なれば、予算(見積り金額)が異なってきます。
提案や見積もりの内容をよく確認し、開発会社に詳細を説明してもらうようにすると良いと思います。

適正なコストで質の高いシステムを構築するために、価格だけでなく、提供される価値を見極めようとすることが大切だと思います。

発注後

新規取引は契約を細かく区切る

初めて取引する会社の場合、いきなり大規模契約を結ぶのではなく、1~2か月程度の短いスパンで契約を区切るのも有効かもしれません。
こうすることで、初期段階で開発会社の対応や品質を見極め、必要に応じて軌道修正が可能になるのではないでしょうか。
あるいは、最初は小規模なプロジェクトで取り組み、信頼関係を築きながら徐々に規模を拡大していくのも有効な方法かと思います。

丸投げせず、当事者意識を持つ

システム開発は、発注者と受注者(開発会社)の共同作業です!
「専門家に任せておけば問題ない」と丸投げすると、期待と異なるシステムが完成する可能性が高いです。
定期的な打ち合わせやフィードバックを行い、開発の方向性を確認しながら進めることで、より満足度の高い成果が得られると思います。

発注者のビジネス課題や業務内容を最も理解しているのは発注者自身ですので。
こちらの記事に「ユーザーの協力義務」について書いていますので、お時間あるようでしたらご覧ください。

まとめ

システム開発における開発会社の選定/発注は、単なる契約ではなく、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。
適切な開発会社を選定し、発注後も積極的に関与していくことで、より良いシステムを構築し、ビジネス課題を解決していけることを願っております!

システム開発に関するご相談やお悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。